科学技術振興機構(JST)は25日、戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO)で、令和5年度の新規研究総括および研究領域を決定したと発表した。
事業は、国が定めた方針の下で戦略的な基礎研究を推進し、社会的・経済的価値をもたらす科学技術・イノベーションを生み出す、新たな科学知識に基づく革新的技術のシーズを創出することを目的としている。文部科学省が戦略目標を設定し、その下にJSTが推進すべき研究領域と、その責任者(研究総括)を定める。
ERATOでは、有識者から構成される選考パネルを設置し、研究総括および研究領域を選考。選定された研究総括は、独創的な構想に基づく研究領域(研究プロジェクト)を自らデザインし、3~4程度の異なる分野からなる研究グループをさまざまな専門性を持つ研究者で構成し、集団を指揮することで、新たな分野の開拓に取り組む点に特徴があります。
選考では、推薦公募およびJSTの独自調査により作成した候補者母集団9,377人について、パネルオフィサーの協力により絞り込みを行った。選出された32件に研究構想提案(予備提案)を依頼。提出された29件の予備提案について書類選考を行い、12件を選び、研究構想提案(全体提案)を依頼した。
これら12件の候補者について全体提案の書類選考と面接選考を実施。計4件の研究総括と研究領域を決定した。東京大学の小島武仁教授や同大学の沙川貴弘教授、慶應義塾大学の佐藤俊朗教授などが選ばれ、領域はマーケットデザイン、情報エネルギー変換、オルガノイドデザインなどとなっている。