総務省
消防庁は21日、救急活動で健康保険証としても登録されたマイナンバーカードを利用する「マイナ救急」の実証事業を全国すべての消防本部で今年4月から開始すると報告した。救急現場で既往歴などの素早い情報確認を目指す。
事業では医療機関が救急隊員にオンライン資格確認システムの閲覧権限を付与する。現場の隊員はカードリーダーなどを使って傷病者の同意を得た上で、本人情報を確認する。意識不明の場合はとらない。
昨年度に35都道府県で行った実証では、特に「意識が不明確で病院選定に苦慮した事例」について3市の消防局で病院連絡までの時間を5分以上短縮した。同庁は「救急活動の中で正確な情報を入手できたことが時間の短縮につながった」と分析している。
構成員からは今後検討されているマイナ救急で保険証機能搭載のスマートフォンから医療情報を閲覧する仕組みについて、「ロック機能を解除せずに、救急隊員が確認できるなど要救助者に抵抗感のない方法を検討する必要がある」といった意見がでた。
昨年、救急出動件数が約723万人、救急搬送人員は約622万人となり過去最多となった。搬送先となる医療機関の迅速な連絡を実現していく。