文化庁
ローマ字では大阪「Oosaka」「Ohsaka」や神戸「Kôbe」「Koube」など複数の書き方が存在する。文化庁は27日の小委員会で、こうしたローマ字使用のあり方に関する意識調査の結果を公表した。複数表記が考えられる書き方について、「きちんと区別が付く方法を考えた方がよい」という国民からの回答が多かった。
文化庁は昨年8月下旬から9月上旬にかけて、日本語を母語とする16歳以上の男女にインターネットでアンケートを実施。1万2196の回答を得ている。
小野や大野をローマ字で書き表す場合、「Ono」と書いて区別がつかないことについて聞くと、「区別が付かなくてもかまわない」31.2%、「きちんと区別が付く方法を考えたほうがよい」が68.8%となった。
また、パソコンで神戸「Kōube」などに使う長音記号「ō」や「ô」を表すことが難しい場合の記し方を尋ねると、「kobeと表示する」が約4割で最も多かった。次に「koubeと表示する」がおよそ3割、「Ko¯be Ko^beのように符号を文字の後に表示する」が続いている。
特定の地名などのローマ字の書き方を問うと、明石は「Akasi」よりも「Akashi」、岐阜は「Gihu」というより「Gifu」、宇治は「Uzi」でなく「Uji」を選んだ人が多かった。
委員会の構成員である三重大学の川口敦子教授は「神戸や大阪は駅名などの表記で、よく見かける書き方が選ばれやすいのでないか」と推測。「日本人の中でも表記の仕方で揺れがあることが、調査の結果で分かった」と評価している。