文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL

文教速報デジタル版

BUNKYO DIGITAL
JTBとIGSが教育活動効果測定システム『J‘s GROW』を提供開始 ~学校行事や探究がコンピテンシー変化に与える影響を可視化~

㈱JTBと、Institution for A Global Society㈱(IGS)は、学校行事や探究での教育活動の効果を測定するシステム『J‘s GROW』を開発し、9月6日からJTBが全国の中学高校向けに発売する。教育活動を約150の構成要素(例:誰と、どのような地域・場所で、どのようなテーマで、どのような活動を行ったのか)に分解して、活動が生徒のコンピテンシー(※)に与える影響を可視化しようとする初の試み。定量化されたデータに基づいた学校教育の質の向上や、効果的な事業成果検証の実現などの効果が期待できる。

※コンピテンシー:一般的に「行動特性」と訳され、ここでは思考力・判断力・表現力等や、人間性、学びに向かう力などを指す

現代の教育では、生徒のコンピテンシーが、知識・技能と並んで育成すべき柱に位置づけられ、それらを育む学校行事や探究などの教育活動の重要性が急速に高まっている。一方で、個々の教育活動が生徒のコンピテンシー変化に与える影響を、個別に定量化するツールはこれまでなく、現場の教員の経験や感覚に任されているのが現状。

『J‘s GROW』は、個々の教育活動が生徒のコンピテンシー変化に与える影響を可視化するために開発されたシステム。『J’s GROW』で測定したデータに教員による評価を掛け合わせることによって、教育活動を多面的に評価し、それに基づいた改善や工夫を行うことで、活動の質の向上につなげていくことを狙いとしている。

また、国や地方自治体が実施する教育関連事業で、定量化が難しいとされるコンピテンシー領域の効果的な成果検証の実現にも貢献する。

『J‘s GROW』は、JTBとIGSが知見と技術を掛け合わせて開発。学校行事や探究の豊富なサポート実績を誇るJTBが、持つ知見に基づいて教育活動を約150の構成要素別に分解して構造化した。これに基づき、IGSがAIを用いて生徒のコンピテンシーを科学的に測定する独自の技術を基盤に評価システムを開発することで、個々の教育活動の効果を定量化するオリジナルのシステムが生み出された。

また、開発には、次世代教育に関する調査・研究を行う「一般社団法人次世代教育ネットワーキング機構」が、データ提供などの協力を行った。

『J‘s GROW』は、個々の教育活動に対する生徒の期待度、積極的参加度、意識変容実感度等を、新たに開発したアンケートを用いて調査し、これをIGSの評価ツール「Ai GROW」で測定した活動前後のコンピテンシー変化と掛け合わせることで、どの教育活動がどのコンピテンシー変化に影響を与えたのかの相関性を明らかにする。Ai GROWは、IGSが開発し、リリースから4年で全国300校以上に導入。3500万件を超える評価データを基に、AIを活用した相互評価で、児童・生徒の資質・能力を定量化する評価ツール。受検ステップ等は下記のとおり。