二百年余の長きにわたって江戸幕府による太平の世の礎を築いた徳川家康だが、慶長5年(西暦1600年)の天下分け目の「関ケ原の戦い」(岐阜県不破郡関ケ原町)に臨む際、神田明神(天平2年(西暦730年)武蔵国豊島郡で創建)で戦勝祈願をすると、神田祭が行われた9月15日に見事勝利を収めたとされている。
こうした関ケ原古戦場と神田明神との歴史的なご縁をきっかけとして、さらには江戸時代、日本橋から京へと続く重要幹線と位置付けられ、69の宿場が整備された中山道が通る岐阜県との繋がりを深めることを目的として、岐阜県と江戸総鎮守「神田明神」が今後連携事業を展開することとなった。神田明神にとって地方自治体との初の連携事業になる。
ここ数年、一層盛り上がりをみせる戦国・武将観光を強力に推し進めている岐阜県ならではの一大イベント「大関ケ原祭2023」(10月14日㈯・15日㈰、関ケ原町)では、限定特別企画も行われる予定。
今から7年後の令和12年(2030年)には神田明神が創建1300年を、岐阜関ケ原古戦場記念館が開館10周年の節目を迎える。東西の歴史的・文化的価値の高い拠点が連携し、人と人との交流や平和への祈りを通して、変化の激しい時代を乗り越え、新しい時代を創造していく一助となるよう展望する方針だ。