文化庁
文化庁の漫画やアニメ、特撮、ゲームなどに関する有識者会議は30日、政府が設立を予定する「メディア芸術ナショナルセンター」(仮称)のあり方をまとめた報告書案を作成した。今後、センターの名称や事業内容などについてより具体的な議論を進めていく。
政府は2024年度の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)で、メディア芸術ナショナルセンターの新設を明記した。同庁はその役割について議論している。
漫画やアニメ、特撮、ゲーム分野共通の課題として、保管・作業スペース、専門人材、予算の不足が挙げられた。さらに、漫画原画やアニメのセル画、フィルムなどの保存・修復手法の研究が進んでおらず関係機関での共有もされていないことが指摘されている。
センターには振興拠点としての役割が期待され、作品の収集・保存や調査研究、人材育成、国内外への情報発信、展示・ビジネスへの利活用が求められるとされた。
人材育成について委員である日本漫画家協会の里中満智子理事長は「国が教育の中身に手を伸ばすと、自由な発想を阻害する懸念がある」と述べた。コンピュータエンターテインメント協会の寺田歩事務局長は「小中だけでなく、高校大学でもクリエイターを目指したいと思わせられる施設になるとよい」と話している。