火山や地震を分析する文部科学省の有識者会議は30日、災害の軽減に貢献する火山・地震研究の成果のとりまとめた「成果の概要」案を示した。「課題に対応しつつ、新技術の導入や分野横断的に実施することで、被害の軽減に貢献することを期待する」としている。
概要では能登半島の地殻変動や昨年度の研究成果をまとめている。能登半島地震について、同地域の地形の変化を観測。上下東西方向への地震による地面の動きを分析し、石川県輪島市の西部では約4mの隆起を確認したと発表した。
昨年度の研究成果として過去1万年間で世界最大規模の噴火を起こしたとされる「鬼界海底カルデラ」(鹿児島県)で起きた大規模火砕流の噴出量を推定して、71㎥(立方メートル)以上と報告している。
また、防災教育のあり方に関する研究について、文科省は災害時に発生する課題や被害をださない対策、安全確保方法など防災のための8能力を提唱したと成果を報告。文科省が発刊した防災の手引きにも生かされているとしている。