総務省
総務省のメタバースを安全に使うための有識者会議は11日、報告書案を取りまとめた。メタバースの身体・精神的リスクを示す一方で、利点も紹介。ガイドラインの作成などによって新技術を安全に活用していく方向性が示されている。
報告書案では、文献調査で得られたVR(仮想現実)・AR(拡張現実)を用いたメタバース利用による課題を列挙。身体的影響として、目・脳へのマイクロ波の被爆、精神的影響としてVR空間と現実の錯覚などが挙げられた。将来的にも目の成長やメンタルヘルスへの悪影響が懸念されている。
一方で、メタバースの効果的な活用事例として、生成AIを活用した対話アバターや3Dモデルを使った説明動画が紹介。その上で、課題の対策としてセキュリティガイドラインやメタバースリテラシーの公表の必要性が指摘されている。
また、今後の検討事項としてリアルとバーチャルの融合が社会に与える影響の検討やメタバースのメリットと課題の整理、メタバースの市場動向のフォローなどが掲げられた。
委員からは「メタバースのセキュリティ確保はしっかりと対応する必要がある」と念押し。「AIゆりこなど本人が話さないチャットボットの利用もありえる。その場合、本人以外が意図しない内容を対話する可能性がある」と指摘し、検証できるプラットフォームが必要なのでないかという意見がでた。