文部科学省
文部科学省の学術分科会は31日、国の第7期科学技術・イノベーション基本計画に向けた意見案を公表した。使用自由な経費や学術研究の発展を目的とする科研費の質と量の充実を図っていく必要があるとしている。今後、意見案をとりまとめて提出する見込み。
素案の中では現状の課題として、「試行的な分析において、基盤的経費等から定常的に措置される教員一人当たりの研究開発費が減少傾向にあることが示されている」と指摘。「研究の多様性・卓越性の確保のためには、研究課題の設定に至るための探求が重要であり、政府においてはそうした活動を支える基盤的経費を十分に確保するべきだ」とした。
科研費について、新たに導入される「研究課題の国際性」の評定要素で高く評価された研究課題の研究費配分額の充実や「国際・若手支援強化枠」の新設によって高い国際競争力を有する研究の質・量的拡大を目指すとともに、若手研究者の海外派遣・受入れの拡大により国際頭脳循環の促進を図るべきとしている。
委員らからは「より強い言葉で科研費の抜本的な増額を書き込んでほしい」といった意見がでた。また、科研費の量的充実よりも拡大というより強い表現に変更してほしいという要望があった。