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深海調査検討の委員会 中間とりまとめ案を議論 探査機の老朽化が課題 文科省

科学技術・学術審議会 海洋開発分科会 深海探査システム委員会

文部科学省は6日、日本の深海調査のあり方について議論する「深海システム委員会」を開催した。会議では昨年11月から5回に渡って開かれた委員会の中間取りまとめ案が示された。今後、8月頃を予定している分科会で審議され、取りまとめが行われる。

それによると、有人潜水調査船(HOV)の遅れが示された。日本では6000mより深い場所で作業が可能な探査機は「しんかい6500」のみ。設計限界として2040年代まで使用可能であるが、同等以上のものが製造されておらず、機器メーカーからのサポート停止などが進み課題があるという。

案では、今後について「しんかい6500の老朽化による研究の後退が懸念されることから、その対策を最優先で進めるとともに新たな大深度無人探査機の運用を開始する必要がある」と記された。

また、地震対策として、水深6500m以上の場所での海溝底の岩石などを採取可能な探査機の開発や測器を改訂に設置できる重作業可能な遠隔操作型無人探査機を製造する必要性があげられている。

委員会からは「2040年代まで稼働するという書き方だと、そこまでの余裕を感じてしまう。修正すべき」といった指摘がされていた。