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誘惑に弱い人には「報酬を一度にたくさん」 強い人には「分割して提供」 目標達成率向上 NTT

日本電信電話(NTT)は、目先のことを過大評価してしまう人間の長期的な目標達成行動を分析。そのような人の目標達成のための最適な介入が分かる数理モデルを開発した。誘惑に弱い人には報酬を一度に提供することが、目標達成への誘導に効果的だという。

人間は目先の利得を過大評価する「現在バイアス」という心理をもつ。これが強い人は目先の誘惑に負けやすく、困難を先延ばしにしやすい傾向がある。

NTTは人間の現在バイアス下の行動を分析し、最適な干渉法を導き出すための数理モデルを発明した。このモデルでは、現在バイアス下の人間の行動を数学的に書き表すことが可能であり、将来行動を予測することが可能である。

このモデルを用いることで現在バイアスに対する最適行動を示した。それによると、誘惑に弱い人には報酬をまとめて一度に設定することが、強い人には分割して高頻度に提供することが最適であるという。

NTTは「導出された最適な介入を現実世界における健康や教育などにまつわる個人の目標達成行動に対して適用することで、目標の達成率を大きく改善することができる可能性がある」と説明している。