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大王製紙とNEDO CNF複合樹脂「ELLEX-R67」を開発 新手法でコスト削減と濃度向上を両立

ELLEX-R67製の回覧板

大王製紙は、再生可能な「セルロースナノファイバー(CNF)」の社会実装に向けた課題であるコスト低減を目的に、CNFの前処理や複合樹脂の生産性を改善する製造法を開発した。今年度からそれによって作られた「ELLEX-R67」が愛媛県四国中央市の回覧板として採用されている。

CNFは自然界に存在する再生可能な資源であり、CNF複合樹脂はこの軽くて強い特性を生かすことができ、自動車部材や家電製品への用途展開が期待されている。だが、社会実装までには低コスト化や物性の向上、用途拡大などが求められていた。新エネルギー・産業技術総合開発機構の事業の一環で、大王製紙が課題解決に取り組んだ。

その結果、生産性を改善して大幅にコストを削減するとともに、大量製造する技術開発にも成功。さらに、複合樹脂のセルロース濃度を55から67%に高めている。四国中央市は市の発足20年を記念して、次世代新素材として期待されるCNFからできたELLEX-R67を使った回覧板を活用することに決めた。

同社は今後について「このような取り組みにより自動車部材、家電製品、建材、容器・包装などの分野での用途展開を積極的に進めていく」と力を込めている。