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ISSと地上で鍵共有 盗聴者による情報漏えい防止 鍵配送装置の製作を加速 東大など5機関

(左)古川聡宇宙飛行士と(写真中央)SeCRETS

情報通信研究機構(NICT)と東京大学、ソニーコンピュータサイエンス研究所など5団体は、低軌道上の国際宇宙ステーション(ISS)から地上の可搬型光地上局への光通信により、1 回の上空通過で 100 万ビット以上の秘密鍵を共有し、ISS と地上で安全な通信の実証に成功した。

研究チームは、衛星―地上局間の見通し通信路の性質を利用し、高効率で鍵共有を可能とする暗号の開発を進め、その宇宙実証を行った。チームは低軌道秘匿光通信装置(SeCRETS)を開発し、宇宙から東京都小金井市にあるNICTに情報を送信することができた。

また、信号盗聴者への情報漏えいを最小限にするための処理をすることで、1度の上空通過で100万ビット以上の暗号鍵の生成に成功している。この鍵を使った写真データの送信も可能となったという。

チームは「今後はここで得られた結果の検証を進めることで、暗号装置に組み込む機器などの開発を更に進め、衛星搭載用の量子鍵配送装置の製作を加速させる」とコメント。今後について、日本独自の衛星量子暗号を実現するための基本データ収集を実施する予定としている。