産業技術総合研究所は編集者として取りまとめを主導した「技術報告書ISO/IEC TR 5469:2024」が出版されたと発表した。諸外国でのAI技術の適用範囲を拡大し、市場拡大につながることが期待されそうだ。
文書は安全性が重視される産業分野にAIを持ち込むときのシステム構築及び品質確認の考え方を整理したもの。従来システムとAIを組み合わせた際の安全性の確保の考え方、機械学習技術部分の品質確認の考え方、従来の安全性関連規格との整合性の考え方などが示されている。
これにより、AIを安全性が重視される製品やサービスに活用する際の国際基準作りの第一歩を踏み出したことになるという。将来的にはAIの安全性の認証が可能となり、特にミッションクリティカルな分野に対する人工知能技術の社会展開に向けた道筋が示されるとしている。
産総研は「国内での品質マネジメントの議論を促しつつ、その内容を踏まえて次の文書の議論に参加し、安全なAIを作るための技術について諸外国と合意し、日本製品の品質の強みが世界で客観的に高く評価されるための国際基準を作る」と力を込めている。