水産庁では、令和2年9月に「水産基盤整備事業のICT活用事例集」を公表し、ICTの普及に努めている。同事例集の公表から約5年が経過しており、「公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)」の改正や、近年のICTの技術開発の進展など、環境の変化が進んでいる。このため、こうした変化等を踏まえた「ICT等による水産基盤整備事業の生産性向上のための活用事例集」を新たにとりまとめた。
水産基盤整備事業を取り巻く環境は、技術系職員の減少、施設の老朽化の進行、生産年齢人口の減少、さらに災害の激甚化や頻発化など、年々厳しさを増している。こうした中で将来にわたりインフラを維持し、適切な保全対策を継続していくために、ICT等の導入により省力化・省人化を図り、生産性を向上させることが喫緊の課題となっている。
水産庁では、令和4年3月に策定された「漁港漁場整備長期計画」の中で、デジタル社会の形成として、漁港・漁場の利用や施設の施工・維持管理にあたっての効率化や省力化を図るとともに、資源評価への活用や漁業の生産性向上にも寄与するICT等の導入を推進している。
また、令和6年6月には、品確法が改正され、調査等や発注から維持管理に至るまでICT等を活用して生産性を高めることが、発注者・受注者双方の責務として規定され、制度面からもICT等の積極的な活用が求められている。
新たな事例集では、水産基盤整備事業を取り巻く環境や品確法の改正等を踏まえ、近年のICTの技術開発の進展等の環境変化に合わせて、現場での活用を促すべく、ICT等の技術導入のきっかけなどの情報を充実させている。
また、水産基盤整備事業に活用が期待できる施工事例について、漁港漁場以外の分野も含め、生産性向上に資すると認められる事例を広く選定している。これにより、生産性向上技術の更なる活用促進の一助となり、さらに現場の創意工夫による新たな技術展開が進むとともに、水産基盤整備全体の効率化・高度化につながることが期待される。