早稲田大学文学学術院と真言宗御室派総本山仁和寺(所在地:京都市右京区)は、相互に支援・協力し、研究・教育活動の推進を目的とした箇所間協定を締結した。仁和寺や真言宗御室派寺院に伝来する文化財や資料、密教文化・宮廷文化等を対象と した学術研究・教育交流を継続的かつ円滑に進めることを目的とするもの。
この協定締結の契機は、2023年に文学学術院の川尻秋生教授が仁和寺の依頼を受け、弘法大師空海御誕生1250年記念事業の一環として講演を行ったこと。この講演を通じて、仁和寺宗務総⾧である大林實温氏から、仁和寺や子院の千点以上に及ぶ未調査の文化財(主として美術関連資料)について大学による学術的調査・研究の打診があった。
この申し出を受け、川尻秋生教授と同学術院の川瀬由照教授は、仁和寺の貴重な文化財は大学院生を含む研究者にとって、宗教史・美術史・文化史等の分野での極めて重要な研究フィール ドとなり得るとの見解を示し、今後の継続的な文化財調査と相互交流の円滑化を図る枠組みとして、文学学術院と仁和寺との間で箇所間協定を締結することとなった。
文学学術院は、人文学の幅広い分野をカバーし得る教員や大学院生を有することが強みであり、美術史・日本史・仏教学など、広範囲に及ぶ寺院資料の調査に対応することができる。
大林實温宗務総長は、早稲田大第一文学部日本史専修卒業、同大学院文学研究科修士課程(日本史学専攻)修了後、博士後期課程に在籍した経歴を有しており、同大との学術的なつながりもこの協定締結の背景の一つとなっているという。
今後の文化財調査や学術交流の推進にあたっては、川尻教授と川瀬教授がコーデ ィネーターとして中心的な役割を担い、文化財の学術調査を中心に、研究成果の発信、教育プログラムへの展開、展示・公開活動など、多角的な連携を進める予定。
具体的には、彫刻・絵画資料をはじめとする仁和寺所蔵資料の調査・研究を行った上での目録作成、仁和寺に関するシンポジウム、市民向けの講座や講演会の開催などを想定している。
