国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と東京工科大学は2月19日、農業・食品産業分野におけるSociety5.0の早期実現を連携・協力して推進するため、包括連携協定を締結した。両者はこの協定の下、まずは放牧管理の省力化、獣害被害の低減に向けた共同研究3課題「急傾斜放牧地における放牧管理支援システムの開発」、「動物行動制御による獣害低減システムの開発」、「動物モニタリングとデータ分析による放牧地運用支援」を開始する。
農研機構は、1893年に設立された農商務省農事試験場を前進とする国立研究開発法人で、農業・食品分野で日本最大の研究機関。身近なところでは、ブドウ品種「シャインマスカット」やサツマイモ品種「べにはるか」を育成した機関として知られており、農業・食品分野における幅広い経験やデータ、都道府県との連携などの蓄積がある。
また、2018年に就任した久間和生理事長の下、農業・食品分野における「Society5.0」の実現によって、①食料自給率向上と食料安全保障、②農産物・食品の産業競争力強化と輸出拡大、③生産性向上と環境保全の両立に貢献することを組織目標として掲げ、AI、データ、ロボティクスなどの共通基盤技術と農業・食品産業技術の融合により、明確な出口戦略に基づき、基礎から実用化までのそれぞれのステージで、切れ目無く成果を創出することを目指している。
東京工科大学は、学校法人片柳学園が1986年に開学し、40周年を迎えた理工系総合大学。開学以来「実学主義」の教育・研究を掲げ、新しい分野に挑戦する積極性と社会の変化に応える柔軟性の下、社会とともに歩んできた。東京都八王子市と大田区蒲田の2キャンパスに工学、応用生物、コンピュータサイエンス、メディア、デザイン、医療保健の6学部と大学院を設置し、約8000名の学生が在籍している。
2025年10月には、NVIDIA社の最新GPUで構成した国内私立大学最大・最速のスーパーコンピュータ「青嵐(SEIRAN)」を本格稼働。世界のスーパーコンピュータ性能ランキング(TOP500)では、第374位(国内38位、国内私立大学1位)を獲得している。
また、同法人内に国内最大級の専門学校日本工学院を有している。
持続可能な農業・食品産業の実現、学術と経済の発展に寄与
今回の連携協定は、農研機構、東京工科大学が相互に連携・協力し、相互の知的資源と技術力を活かした共創により、持続可能な農業・食品産業の実現、日本の学術と経済の発展に寄与することを目的としたもの。
これに基づき、共同研究の推進、研究成果の普及、研究者や教員間の研究交流促進、連携大学院等による若手人材育成の促進、研究施設や研究設備等の相互利用、情報の共有と相互発信等について連携・協力していくとしている。
協定の有効期間は締結日から2029年3月31日まで。その後は、終了の申し出がない限り、1年間ずつ有効期間を延長するとしている。