アミノ酸濃度改変による体外受精卵発生培養液の改良
農研機構は、培養液の非必須アミノ酸の新しい組み合わせにより、高品質なウシ体外受精卵の効率的な作製に成功した。
牛肉の輸出額は2024年に過去最高となる648億円に達したが、政府は2030年の牛肉輸出目標額を1132億円としており、和牛の効率生産に向けた技術開発が求められている。
和牛生産では、黒毛和種の体外受精卵の移植が重要な生産手法として活用されているが、現在の体外受精卵移植による受胎率は40%程度であるため、高い受胎率が期待できる高品質な受精卵を作製する技術を開発し、受胎率を向上させる必要がある。
農研機構は、体外受精卵を作製する際の培養液に添加されている非必須アミノ酸に着目。一般的には均一濃度(0.1mM)で添加されている7種類の非必須アミノ酸のうち、アラニンを非添加、セリンを通常の10倍濃度(1mM)添加に改変した培養液を開発した。この改変により、移植可能な受精卵に対する高品質な受精卵の割合を25%から90%にすることに成功した。
今回開発されたアラニンとセリンの濃度を変更した培養液を用いることで、体外受精卵の移植後受胎率が改善される可能性があり、和牛の効率生産への貢献が期待される。
また、この技術は特殊で高価な成分の添加を必要とせず、従来の培養液に使用している成分の濃度の調整のみで効果が得られることから、導入が容易である。
農研機構では、今後、非必須アミノ酸濃度改変培養液の製品化に取り組み、受精卵生産現場への普及を進めていくとしている。