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日本人の終末期ケアなどの行動 3.82点 国民皆保険などが要因 千葉大(第18905号)

千葉大学

千葉大学の河口謙二郎特任教授と北海道大学の黒鳥偉作助教らの研究グループは、終末期や死に関するケアを理解して行動する「デス・リテラシー」を測定する尺度の日本語版を開発した。日本は他国と比較して、低いスコアであることが分かっている。7日付の国際学術誌で報告されている。

終末期ケアや死に関する実践的知識や行動能力はデス・リテラシーと呼ばれる。オーストラリアで開発され、スウェーデンやトルコ、中国などで翻訳版が活用されている。だが、日本には適合した測定ツールが存在しなかった。

グループは、オーストラリアで開発された原版(DLI-R)を基に日本語版を開発。日本の法制度に合わせてDLI-Rに存在する「注射の投与」という項目を「投薬管理や軟膏塗布」にするといった修正が施されている。

2500人の国民を対象に、デス・リテラシーを用いた調査を実施すると、日本は10点満点中3.82点であると判明。英国(4.76点)、スウェーデン(5.15点)などと比べて低い水準にあると分かっている。

「経験から得た知識」のスコアは4.66点で比較的高い傾向にあった一方で、「地域に関する知識」は3.20点と低かった。また、「終末期ケアを支援してくれる地域の団体や組織などをしっているかどうか」のスコアはも2.75点と小さい数値となっていた。

グループは要因について、「日本では国民皆保険制度や介護保険制度が整備されている反面、行政などに任せきりになりやすく、自身が知識を得て動く必要性を感じにくい環境にあることが可能性として考えられる」と分析した。

今後について「この指標を活用し、地域全体で人生の最終段階を支え合う『コンパッション・コミュニティ』の形成に向けた具体的な支援策を提言していきたい」としている。