増田 財政審会長代理
国の財政を議論する財務省の審議会(財政制度等審議会・財政制度分科会)は5日、高市政権が編成する来年度予算案をめぐる議論を開始した。
医療を中心に社会保障制度の改革を俎上に載せた。
財務省は会合で、「医療・介護産業の構造的見直し」を提言した。
労働供給の制約が強まっている現状を踏まえ、「人口増加期に作り上げられたシステムを、中長期的に持続可能な構造へ転換していくことは避けられない」と強調。「とりわけ、生産性が伸び悩むまま労働投入を集中させてきた医療・介護産業が、これから成長型経済の実現に寄与していくためには、より少ない労働投入量で質の高いサービスを提供できるようにするなど、効率的で持続可能な産業構造への転換が不可欠」と指摘した。
DX、業務の効率化、生産性の向上などを推し進め、既存の体制の改革を一段と加速させるよう促した格好だ。
財務省はこのほか、現役世代の保険料の上昇を抑制して可処分所得の拡大を図るべきと主張。来年度の診療報酬改定について、「病院に比べて診療所が高い利益率を維持している現状を踏まえ、病院への重点的な支援のため、診療所の報酬の適正化が不可欠」と踏み込んだ。