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データ駆動型ロードキル対策を本格的に開始―国交省 モデル地区(北海道・沖縄)の現場に路面標示等を設置(第18884号)

 国土交通省では、ネイチャーポジティブ社会の実現に向けて、道路上で動物が自動車に轢かれる「ロードキル」防止のため、今年度から北海道と沖縄をモデル地区として、データを活用したロードきる対策を進めている。モデル地区のロードキル多発時期である10月にあわせて、ロードキル多発区間を対象に路面標示等を設置するなど、現地での対策を本格的に開始する。

 直轄国道では、年間約7万件(令和4年度)の「ロードキル(道路上で動物が自動車に轢かれる事故)」が発生しており、従来から対策を講じているものの事故件数は高止まりしている。こうした状況を踏まえ、今年度から北海道と沖縄をモデル地区に選定し、過去の事故発生場所・時間帯等のデータを分析して対策を検討する、データ駆動型のロードキル対策を志向している。

 6月には、過去のロードキル発生状況を集約したデータベースを構築し、北海道はエゾシカ、沖縄はヤンバルクイナとケナガネズミを対象に事故多発区間・時期・時間帯を特定、あわせて、「ロードキル発生箇所マップ」を道路局のHP上で公表した。

 ロードキル多発時期の10月にあわせ、データ分析結果を踏まえて検討した現地での対策を本格的に開始する。今後、現地対策の実施による事故発生件数や車両走行速度の変化などを検証し、より効果的な対策を検討・実施する。

 モデル地区で得られた知見やノウハウをもとに、全国の直轄道路でもデータ駆動型ロードキル対策を展開し、人と野生動物が共生できる安全な道路づくりを推進する。

国道36号(北海道苫小牧市)

 ・特にエゾシカの事故が多発している48~58kpを対策区間として抽出
 ・事故多発時期は10月、時間帯は早朝・夜間
  〈実施内容〉
   シカ注意の路面表示の設置、道路情報板での事故注意喚起 など

国道58号(沖縄県国頭村)

 ・ヤンバルクイナとケナガネズミの事故箇所が重複する0~6kpを対策区間として抽出
 ・多発時期・時間帯は、ヤンバルクイナが5月・早朝、ケナガネズミが10月・早朝夜間
  〈実施内容〉※ヤンバルクイナのロードキル対策については、来春開始を予定
   ケナガネズミ注意の路面表示の設置、ロードキル注意喚起ポスターの設置 など