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農研機構とフランス国立農業・食料環境研究所が主導する植物フェノタイピングに関する国際研究ネットワーク設立(第18882号)

 農研機構は、フランス国立農業・食料環境研究所(INRAE)とともに、発起人として日本、フランス、オランダ、ドイツの4ヵ国5機関が参画する植物フェノタイピング技術に関する国際研究ネットワークRhizoNETを立ち上げる。

 農研機構とINRAEは、2016年に包括的連携協定を締結後、2018年から本格的な連携を開始し、Joint Linkage Call(JLC:INRAEのスキーム。若手研究者を中心に研究パートナーシップ醸成を図る相互研究プログラム)を通じて研究者のアイデアを共同研究につなげてきた。

 特に、植物や動物の形態、構造、機能、生理的特性などの観察可能な特徴や性質である表現型を測定・評価する「植物フェノタイピング技術」や、「農業ロボティクス技術」の分野について研究協力合意書を締結して連携を強化しており、昨年からは発酵分野における連携も開始している。JLCで始めた研究は、国際的なエビデンスの収集と提供、成果の社会実装、世界的な研究ネットワーク設立、相互連携ラボの設置などに発展している。

 今回、JLCで実施してきた植物フェノタイピングの研究を発展させ、新たに4ヵ国5機関が参画する国際研究ネットワークRhizoNETを立ち上げることとし、10月6日に農研機構の久間和生理事長とINRAEのフィリップ・モーガン理事長との間で署名式が行われた。

 RhizoNETは、INRAEが主導する国際研究ネットワークのスキームである「2RI」を使って設立され、INRAEと農研機構に加え、フランスの国立農業・食品・環境高等教育研究機構、オランダのワーゲニンゲン大学研究センター、ドイツのライプニッツ研究所が参画する。今回の署名式では、ネットワーク設立の発起人であるINRAEと農研機構が、他機関に先立って署名を交わした。

 今後、JLCで農研機構とINRAEの研究者が互いに開発してきたハイスループットな根の表現型解析システムを用い、各研究機関の強みを活かして気候変動に対応した作物開発を加速させるグローバルなネットワークとして発展していくことが期待される。