新潟大学は9月1日、OpenAI社が提供する教育機関向けの生成AIサービス『ChatGPT Edu』を導入した。通信の安全性やデータ保護が確保され、大学側で利用範囲や 状況を管理できる仕組みを備えており、学生と教職員が安心して活用できる環境を整える。
新潟大では、今年3月に「生成AI利用促進ガイドライン」を策定し、教育・研究での生成AI活用を推進してきた。同年5月には、履修科目をAIが提案する「科目レコメンド システム」を試験導入し、学修支援の高度化を進めている。
新潟大の在学生を対象として今年4月から5月に行った調査によると、入学者の約6割が高校で生成AIを使用した経験がなく、リテラシー教育の重要性も浮き彫りとなっている。
こうした状況を踏まえ、生成AIの学習支援モデルを先駆けて構築するためエンタープライズレベルのセキュリティとコントロールを備えた「ChatGPT Edu」を導入することにした。特に教育分野では、ChatGPTを積極的に取り入れることで、学生の主体的な学びを支援し、新しい教育スタイルを開拓する方針だ。
主な利用対象は第2学期新設科目「生成AI活用実践演習」履修学生(定員200名×2クラス)や、教育・学生支援改革に取り組む教職員。さらに、NICEプログラムSA(Student Assistant:学習支援を⾏う学生スタッフ)なども利用対象としている。
活用計画としては、①「生成AI活用実践演習」の開講とともに、②教職員向け研修の開催、③教育・学生支援・業務運営・研究支援での試行活用などを想定している。
期待される効果としては、履修相談の効率化、学習計画の個別最適化、学生相談待機時間の短縮などをあげている。
□牛木辰男新潟大学長のコメント
「新潟大学では、2025年度に設置した未来教育推進コアを基盤に、10学部・約1万人の学部生を対象に分野横断・文理融合教育を進め、メジャー・マイナー制とアカデミック・アドバイジング体制を整備してきました。今後はこれらを発展させ、ヒトと生成AIが協働するアドバイジング制度を導入し、場所や時間にとらわれない最適な支援環境を整備します。ChatGPT Eduの導入はその第⼀歩であり、日本の大学における生成AI教育・学生支援の先進モデルとして、全国の高等教育改革にも貢献していきます」