国立大学法人一橋大学の社会科学高等研究院 国債公的統計研究・研修センターと、大東建託株式会社は、新たな家賃指数「一橋大学・大東建託CPI方式家賃指数」、「一橋大学・大東建託ヘドニック方式家賃指数」を開発した。
両者は、昨年4月から持続性の高い賃貸住宅市場の構築に向けた共同研究を実施してきた。今回新たに開発した2種の家賃指数のうち、「一橋大学・大東建託CPI方式家賃指数」を、今年8月から全国、東京23区および都道府県別に月次で公開する。
現在総務省が公開している消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)において、民営家賃は家賃支出全体のうち20~30%程度と大きな割合を占めているが、CPIで測定される民営家賃指数(CPI家賃指数)は近年ほとんど上昇を示しておらず、市場の実態との乖離が指摘されている。
共同研究では、公的統計の補完や、国内不動産市況のより詳細な観測を目的に、大東建託グループが管理する賃貸住宅(全国約1350市区町村、128万件超)の大規模家賃データベースと、一橋大学が有する学術的知見をかけ合わせるかたちで、新たに2種類の民営家賃指数の開発に取り組んだ。
新たに開発した「一橋大学・大東建託CPI方式家賃指数」は、大東建託グループが管理する賃貸住宅の建物情報および家賃データをもとに、総務省統計におけるCPI家賃指数の算出方法と同様の手法を用いて、物件ごとの部屋面積と建物構造(木造・非木造)による差を補正している。計算手法は同じであるが、サンプルサイズや調査範囲が総務省統計と大幅に異なるため、指数も異なる挙動を示す。総務省が公開するCPI家賃指数との比較に適したこの家賃指数を、全国、東京23区および都道府県別の計49指数として、2025年8月から月次で公開する。
「一橋大学・大東建託ヘドニック方式家賃指数」は、「ヘドニック法」と呼ばれる統計手法を用い、物件ごとの部屋面積や建物構造に加えて、築年数や地上階数・居住設備などによる様々な影響を補正して算出。算出にあたっては、当社家賃データのうち現在居住中の物件を除く、その月に入居契約を締結した物件の家賃のみを参照しており、市場における家賃決定の動向を早期に反映する、当社独自の指数となっている。この指数については、一橋大学における学術研究もしくは当社内での市場分析に活用するものとし、現時点では公開は予定していない。
■「一橋大学・大東建託CPI方式家賃指数」公開先
〈一橋大学 社会科学高等研究院 国際公的統計研究・研修センター ウェブサイト〉
https://hi-cem.hias.hit-u.ac.jp/category/rent-index-prefecture/
〈大東建託 賃貸未来研究所 ウェブサイト〉
https://www.kentaku.co.jp/miraiken/rentindex/
