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発電する!マアジも集まる! 長崎大准教授らが浮体式洋上風力発電施設に集魚効果を発見(第18862号)

長崎大学水産学部の八木光晴准教授と、大学院総合生産科学研究科修士課程の土田真平を中心とする研究グループは、長崎県五島市沖で建設中の浮体式洋上風力発電施設に集魚効果があるかどうかを、環境DNA(eDNA)技術を用いて明らかにした。

年間を通じて実施された調査の結果、風車周辺の海域ではマアジのDNA断片が多く検出され、同種が風車に蝟集(いしゅう)(集まっている)している可能性が示された。この研究成果は、浮体式洋上風力発電施設が魚類の行動や分布に影響を与える可能性を示す重要な証拠の一つとなる。

現在、世界的にも浮体式洋上風力発電の設置例は少なく、五島市沖の風車は国内外の先駆けとして建設が進められている。

八木准教授らの研究は、このような新たな海洋構造物(海のランドマーク)が周辺の 魚類群集の生態に及ぼす影響を示したもので、再生可能エネルギーの導入と海洋環境保全との調和を考える上で、極めて重要な知見を提供するものと評価される。

この研究は、公益財団法人日本生命財団「人間活動と環境保全との調和に関する研究」の助成を受けて実施された。この研究成果は、7月16日に国際学術誌Aquatic Conservation:Marine and Fresh Water Ecosystemsの早期オンライン版に掲載された。

浮体式洋上風力発電施設