環境省は、国立環境研究所やJAXAとともに、気候変動に関する科学の発展、気候変動政策・取組評価への貢献を目的に、温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT(ゴーサット)シリーズ)を活用し、大気中の二酸化炭素とメタンを観測している。
GOSATシリーズで観測した温室効果ガス濃度の分布等を立体的に表示・体感できる「GOSAT 3Dビジュアライザー」について、6月18日から来年3月31日まで横浜市の「はまぎん こども宇宙科学館」で展示する。
GOSAT 3Dビジュアライザーの科学館展示は日本初となるもので、横浜市、「はまぎん こども宇宙科学館」の協力の下、環境教育の一環として子ども達が最先端のデータに触れる機会を提供する。なお、今後、他の科学館でも展示を検討している。
GOSAT 3Dビジュアライザーは、気候変動COP29(アゼルバイジャン)のジャパンパビリオンでの展示や大阪万博で活用するため、衛星データプラットフォームTellusから公開されているデータを活用して、株式会社バスキュールが開発。GOSATシリーズの観測データを分かりやすく、インタラクティブに体感できる。GOSATシリーズにより観測したデータを基に、地表付近の大気中の二酸化炭素及びメタン濃度の濃淡や経年変化、主要都市ごとのグラフ、衛星の機体や軌道を立体的に表示可能。また、トラックボールを操作することで、表示する地域や都市を選ぶことができる。
■ 地球観測衛星GOSATシリーズ
(GOSAT1号機)
・温室効果ガス観測技術衛星「GOSAT(愛称:いぶき)」は、主要な温室効果ガスである二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することを専門とした、世界初の人工衛星。2009年1月23日の打ち上げ以来、16年経過した現在も観測を続けている。
(GOSAT2号機)
・GOSATの後継機である「GOSAT-2(愛称:いぶき2号)」は、2018年10月29日に打ち上げられ、2019年2月より定常運用を開始している。
・GOSAT-2は、GOSATより二酸化炭素とメタンの濃度観測精度を向上するため、大都市など大規模排出源を集中して観測する機能の強化のほか、雲のない地域を自動的に探して観測する機能を新たに追加している。
(打上げ予定:GOSAT-GW)
・GOSATシリーズの3号機は、環境省・国立環境研究所による温室効果ガスの観測ミッションと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による水循環変動観測ミッションの相乗り衛星として、2025年6月24日に打上げを予定している。なお、衛星名称は2つのミッションを表し「温室効果ガス・水循環観測技術衛星(Global Observing SATellite for Greenhouse gases and Water cycle:GOSAT-GW)」という名称とした。