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ブラックバス防除の指針を20年ぶりに改定 環境DNAなど新手法を明記 環境省(第18839号)

環境省は先月、特定外来生物であるブラックバスやブルーギルの防除の指針を約20年ぶりに改定した。電気や性フェロモンなどを使った誘引方法などを盛り込み、効率的な防除方法を紹介している。水中に含まれるバスの遺伝子である環境DNAを用いた新手法も取り入れられた。

新たな指針は同省から4月22日付で通知された。近年、増加している口が小さい「コクチバス」の抑制や大きい「オオクチバス」のさらなる低減が狙い。

改定では最新の知見を踏まえた防除手法として、電気ショッカーボートやおとり個体、水中銃を使う方法などを追記した。産卵場所を発見するための水中ドローンによる探索も周知している。環境DNAを使った方法について、フンに含まれるものが検出されてしまう場合もあることから専門家による助言を要するとした。

また、ブラックバスの排除によってアメリカザリガニやウシガエルといった外来生物が繁殖する可能性を指摘。捕食者であるバスが減ることにより外来種の繁殖が加速させないような管理の必要性を呼びかけている。

政府は一昨年、生物多様性の保全のための基本的計画「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定。戦略にはオオクチバスなどの指針見直しが示されており、同省は昨年から検討会を開いて改定を議論していた。

■環境DNA(eDNA:environmental DNA)

土や水中などさまざまな環境から採取できるDNA。生物は環境中に排泄物などの形でDNAを放出しており、それらを使って分析することで特定の種の存在や量などを解析できる。