日医・松本会長
日本医師会と6つの病院団体(※)は3月12日、2024年度診療報酬改定後の病院の経営状態に関する調査結果を公表した。それによると、経常利益が赤字に陥った病院は、前年度から10.4ポイント増の61.2%だった。
※ 調査を行った6つの病院団体
日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本慢性期医療協会、全国自治体病院協議
調査は今年の1月から2月にかけて、6つの病院団体の会員である5901施設を対象に実施。このうち1731施設から有効な回答を得た。
経費の内訳をみると、2023年から2024年にかけて給与費が2.7%増加。そのほかも医薬品費が0.6%増、診療材料費が4.1%増、委託費が4.2%増、経費(水道光熱費等)が3.1%増、控除対象外消費税等負担額が2.4%増と各項目が軒並み伸びを示していた。
また、2023年度WAM(福祉医療機構)データの債務償還年数(借入を返済するまでに必要な年数)の分析では、およそ半数の病院が破綻懸念先と判断される30年を超えていた。
この日の会見で、日本医師会の松本吉郎会長は「公定価格で運営する医療機関は(増加分を)価格に転嫁できないことから、物価・賃金の上昇に適切に対応する診療報酬の仕組みが必要だと考えている」と説明。そのうえで、「これまで幾度となく主張している通り、社会保障予算に関しての財政フレームの見直しが不可欠だ」と述べた。
■ 「医療機関が地域からなくなってしまう」
日医と6団体は同時に合同で声明も公表した。その中では、「病院をはじめとする医療機関の経営状況は現在著しく逼迫しており、賃金上昇と物価高騰、さらには日進月歩する医療の技術革新への対応ができない。このままでは人手不足に拍車がかかり、患者さんに適切な医療を提供できなくなるだけではなく、ある日突然、病院をはじめとした医療機関が地域からなくなってしまう」と指摘。「まずは補助金による機動的な対応が必要だが、直近の賃金上昇と物価高騰を踏まえると、2026年度診療報酬改定の前に期中改定での対応も必要であると考える」と訴えた。