スポーツやリハビリテーション、健康づくりの運動で、バランス能力は非常に重要。屋外の活動ではさまざまな色のサングラスが使われるが、バランス能力への影響については、十分な科学的検証がされていなかった。東北大学産学連携機構未来社会健康デザイン拠点の永富良一教授(研究推進時:大学院医工学研究科)らの研究チームは、透明レンズを含む26色のカラーレンズを使って、片脚立ちとジャンプして着地する際のバランス調節能力を精密に計測。その結果、色によってバランス調節能力の指標である重心動揺面積が最適色では透明レンズより20%以上小さくなり、不適色では20%以上大きくなり、異なることを明らかにした。また、透明レンズに比べてバランス能力が低下する色や改善する色は、一人ひとり異なることも判明した。この研究成果は、2月27日に科学誌 Scientific Reportsに掲載された。
この研究成果は、登山や高所作業などの危険な場所での歩行時に、バランスを 崩しやすい色を避けるための知見を提供するもの。片脚立ちだけではなく、ジ ャンプして着地する際にも、特定の色がバランスに対して有利または不利であ ることがわかった。
実験は、白い背景の実験室環境で行われたが、結果 の信頼性は高く信頼できるものと考えられるという。
実際の環境では、視界に入る色や形は複雑で、動きや変化もある。実生活に応用するためには、まず自分でカラーレンズの効果を試してみる必要があるが、研究グループでは、今後は個人に最適な色を見つける方法を確立し、人によって異なるカラーレンズの色がバランスに影響をするのか、その神経機構の解明を進めることとしている。
この研究は東北大産学連携機構において企業などとの共創活動から非医療領域のヘルスケアイノベーションを推進する未来社会健康デザイン拠点で取り 組む「情動と運動制御」研究の一環としても行われた。
