アリアケアカエイ(提供:山口敦子教授)
長崎大学の山口敦子教授と古満啓介研究員の研究チームは、新種のエイ「アリアケアカエイ」を発見した。これまで160年以上、アカエイとされていたエイのなかに、アリアケが混合していた。チームは22年をかけて精査しており、今後は両種の生態の違いを分析していく。
アカエイは1841年に6個体の標本を基に新種として記載された。だが、長崎大の研究で、九州西部の有明海に見分けが難しいほど姿がよく似たアカエイが存在していることが発見された。そのため、標本が本当にアカエイなのか疑問が生じていた。
標本を調べると、複数の種が混在していることを確認。研究では、アカエイやシロエイ、イズヒメエイなどアカエイ類の幼魚を採取して比較した。その結果、学名の基準とした当時の個体は、アカエイと同一種であると認められている。
アカエイと類似するアリアケアカエイは「尾の裏側にある皮褶(ひしゅう)が黒く、縁が白い」、「腹側の5番目の鰓孔(えらあな)付近に横溝がある」という特徴を持つ。アリアケは日本でのみ見つかっており、太平洋側には高知から鹿児島県南部に分布、日本海・東シナ海側では山口県沿岸から鹿児島県南部まで生息している。
山口教授は「国内・海外でフィールドワークを含めた調査研究を経て、この難題を紐解くのに長い年月を費やした」と振り返り、「現在はアリアケアカエイとアカエイの生態を詳しく調べており、今後この2種の生態の違いや特徴を詳細に解明していきたい」と力を込めている。