官庁通信デジタル

KANCHO TSUSHIN DIGITAL

官庁通信デジタル

BUNKYO DIGITAL
新種の野生ノリ「クロシオアマノリ」発見 東京海洋大などのグループ

クロシオアマノリ(提供:東京海洋大学)

東京海洋大学の二羽恭介教授や北里大学、水産研究・教育機構などグループは、新種の野生ノリ「クロシオアマノリ」を発見したと発表した。新たなノリ栽培種として利用できると期待されており、温暖化などによる野生ノリの減少対策につながる可能性がある。

クロシオはこれまで日本に広く分布する「オニアマノリ」の遺伝子解析を行う中で、オニではない別種であると明らかになった。名前は分布域に流れる黒潮に由来している。オニと比較して葉が厚く、メスの生殖細胞の形も異なるという。大きさは10から20センチ程度。

近年、温暖化による海水温の上昇により野生ノリの生産量が減っている。温暖化に対応したノリ栽培種を育成するために南方に生息するノリを採取していたところ、新種の発見につながった。クロシオは神奈川県藤沢市や千葉県白浜町、東京都式根島などで確認されている。現在調査中だが、海水温が温かい日本の西側にも広く分布している可能性が高いという。

二羽教授は「ノリ養殖の現場からは、水温の高い時期から始められる養殖種を求められている」と紹介。「クロシオアマノリとオニアマノリの種間交雑育種などにも取り組み、温暖化 に対応した新たなノリ栽培種の育成を目指したい」とコメントしている。