明治と帝京大学の研究グループは、カカオ由来の原料を70%以上含む高カカオチョコレートの継続摂取が女性の便通を改善すると発表した。高カカオチョコレートの摂取が疾病を予防できるかを確認する研究が求められそうだ。
グループは便秘傾向にある20~49歳の女性を対象に高カカオチョコレートを継続的に食べさせる実験を実施。カカオ72%のダークと21%のホワイトチョコレートのどちらかを1日25グラム、2週間採り続けた。
腸内の変化を調べると、腸の健康を維持するらく酸産生菌の増加が認められた。なかでも、産生菌である「フィーカリバクテリウム」と「メガモナス」はホワイトよりもダークチョコレートを食べることで割合が高くなったという。その結果、体重に変化なく排便回数と量を増加させていた。
グループは「腸のぜん動運動の促進など腸の健康に関わるらく酸の産生菌が増えたことで便通が改善された可能性がある」と説明。「便通の改善ばかりでなく、炎症性腸疾患(IBD)、大腸がん、生活習慣病などの疾病の予防に関与している可能性が示唆される」と評価している。