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ブレイン、十島村村長らに貢献 トカラ地震を事前予知

ブレイン社のネームプレート

地震予知の「ブレイン」(静岡県)は6月22日から7月16日までの期間、トカラ地震で起きたマグニチュード(M)5クラスの地震を予知することに成功した。実際の震源域や規模、発生日時もその範囲内となり、十島村(鹿児島県)の久保源一郎村長に連絡を取って島民らの帰島検討に貢献したと報告している。

「地震予報と防災対策案を被災地へお送りすることで、ほかの自治体においても既存の防災体制では対処し切れない部分を臨機応変にカバーする体制構築の目途が立てられた」―。ブレインの内山義英代表は力を込めた。

ブレインは開発したアプリ「ゆれズバ」や携帯メール、ショートメッセージサービス(SMS)で利用者に地震予報を伝えている。全国に設置した観測装置で行う「3種前兆地震予知法」で、震度5以上の地震を95%の割合で予知し、危険を知らせている。

トカラ地震では今年7月7日までのおよそ1週間にわたり、震度5程度の地震が特に頻発した。6月末から震度5弱以上の地震は同日までに計8回起こり、3日には6弱を記録。震度1以上で数えれば1日から6日まで、各日で100回を超えていた。

十島村は島外避難を7月4日から開始、11日を当初の帰島期日とした。地震予知システムを持つブレインは、9日に久保村長へ連絡。「M7または震度7クラスの大地震が発生しない見込みである」と伝え、トカラ地震の発生状況を総合的に判断し、避難を1週間程度延長するよう提案した。

帰島のタイミングに悩んでいた久保村長から感謝の言葉をもらい、11日の帰島が断念された。希望者は16日に村へ帰ることとなった。

内山代表は「島民の避難、避難延長、帰島、群発地震収束まで、一貫して科学的予報により支援したことで、今後の被害地震や大地震に対する有効な先例となった」と説明。「国民の命と安全と安心を守り続け、北海道地震、能登半島地震を最後として、震災での犠牲者をゼロに近付けることを目指す」と表明している。