名古屋工業大学の平田晃正教授
名古屋工業大学の平田晃正教授らの研究グループは8日、糖尿病患者はそうでない人よりも熱中症リスクが1.4倍に高くなると発表した。特に30~59歳では1.7倍となると分かったという。保険者データを使った初めての大規模解析を行っている。
研究では2016~23年までの約256万人分の情報を用いた。糖尿病患者18.8万人と性別、年齢、地域をそろえた非糖尿病者75万人を比較して直近5年間の糖尿病とリスクの関係を分析している。
その結果、糖尿病群は健康な人と比べて1.41倍熱中症の危険性が高かった。30~59歳の就労世代は1.69倍に大きくなっており、屋外作業や職場で高温な場所にいる時間が多くなることが要因と考えられるという。女性よりも男性の方が危険性は大きかった。
また、寒冷地でも危険が高まると明らかになった。北海道在住の40~59歳の糖尿病群では約2倍に上昇していた。要因として、体が暑さに慣れることの遅れや冷房環境が不十分である可能性あると推測されている。
平田教授は「糖尿病患者は暑さを感なくても、リスクが高まると知ってほしい」と紹介。「糖尿病患者は、ちょっと暑いと感じる段階から対策を講じてほしい」と訴えている。