筑波大学
筑波大学の藤井直人准教授らのグループは、運動中にカフェインを摂取することで運動時の過換気や脳血流量減少などの生理的ストレスを伴わずに長時間運動のパフォーマンスを向上させる可能性があると報告している。グループは摂取量やタイミングの個別化、習慣化の影響など「より幅広い条件を考慮した研究を進めたい」としている。
グループは若年男女12人を対象に気温35度、湿度50%の暑熱下で、自転車運動を実施。高強度の運動を疲労困憊まで行った。5分で体重1キログラムあたり5ミリグラムのブドウ糖かカフェインを摂った。
その結果、カフェインを摂取した場合には、ブドウ糖よりも高強度の運動継続時間は延びていた。また、主観的な苦しさも低い値を示している。一方で、ストレスにつながる運動時の脳血流低下反応に差は見られなかった。
研究グループは「暑熱下での⻑時間運動時において、カフェインを運動中に摂取すると脳⾎流低下反応などの⽣理的ストレスが増⼤することなく、パフォーマンスが向上する」と推察。「暑熱下でのカフェイン摂取の最適な⽅法の確⽴は、競技力の最⼤化につながる」としている。