ニッポノプテルス・ミフネンシスの復元画© Zhao Chuang
北海道大学と熊本大学、御船町恐竜博物館の研究グループは、新種新属の翼竜「ニッポノプテルス・ミフネンシス」を発表した。御船町(熊本県)にある後期白亜紀の地層から発掘された化石により判断された。生物の死体が化石に成る体化石に基づいて名付けられた日本初の翼竜になるという。
ニッポノプテルスは同紀に出現し、世界中に分布を広げたアズダルコ科の翼竜。モンゴルの約9000万年前の地層から掘り出された未命名の翼竜と近縁であるとされている。白亜紀に生息した大型翼竜のケツァルコアトルスとは類縁関係だ。
ニッポンノプテルスは成熟した個体では、翼を広げた幅は3メートルを超えると推測されるが、化石から推定されるサイズは2~3メートル程度。第6けい椎⾻における「後関節突起の独特な背側稜」「後外関節突起は椎体の側⽅に伸びる」「椎体後部の関節⾯は三⾓形を呈する」など固有の特徴から新属新種であるとした。

ニッポノプテルス・ミフネンシスのけい椎骨(提供:御船町恐竜博物館)
同町恐竜博物館の池上直樹・主任学芸員は「系統解析によって新属・新種の翼竜のけい椎骨であることが確かめられ、白亜紀末に大型化する翼竜のグループの中で最も古い基盤的な翼竜だと分かった」とし、「当時の日本に固有の翼竜が飛んでいたことが明らかとなったことは、日本の翼竜化石研究の大きな一歩だ」と評している。