大阪公立大学の岡澤亮介准教授らの研究グループは22日、お笑いコンテストにおいて1番手の演者の得票率が1割程度高くなる傾向を発見している。最初に発表する人を平均的な評価にしようという心理傾向が影響しているという。研究の蓄積はより公平な審査につながりそうだ。
グループはNHKのお笑い番組「爆笑オンエアバトル」の500回分の結果データを分析した。オンエアバトルは一般から選ばれた100人の審査員が若手芸人10組を審査する。合格した5組はNHKで毎週ネタを披露できるという番組だ。
研究によると1番手は他の組と比べて約5~10%の高い得票率となった。その要因は、評価者が将来の判断の余地を残そうとする「カリブレーション効果」にあると推測。後のネタの面白さが不確かであるため、中間評価を選びやすくなると考察した。倍率の高いコンテストであれば不利になる可能性があるが、同番組では有利に働いたという。
グループは「最初の発表者が有利な評価を受けるという発見は、順番の効果が評価者の目的によって変わる」と紹介。順番や配置が評価に与える影響を理解する検証の蓄積が、より公正な審査システムの知見の提供に寄与するとしている。
オランダの学術誌「Journal of Economic Behavior & Organization」に同日付で掲載されている。