ポケモンスリープのロゴ
筑波大学の柳沢正史教授らのグループは、睡眠アプリ「ポケモンスリープ」と体重管理アプリを用いて睡眠への有効性を調査した。アプリの影響が初めて科学的に示され、睡眠時間が48分増加するなどの効果が見られたという。睡眠の改善は肥満の解消にもつながっている。
ポケモンスリープは、スマートフォンを置いて眠るだけで睡眠の程度を計測してくれるアプリ。ユーザーと同様の睡眠パターンを持つポケモンが睡眠中に集まり、利用者はポケモンの寝顔図鑑の完成を目指す。
グループはポケモンスリープと体重管理アプリ「あすけん」の両方を使う約2000人を対象に調査を実施した。
個人別に90日間の変化を計測すると、睡眠時間は45.3%が増大。寝床に入ってから眠るまでの時間は18.1%に短縮が見られ、中途覚醒の割合も24.4%の人が短くなっていた。さらにBMI(肥満度の指標)も総睡眠時間などが改善した人は大きく低下したという。
柳沢教授らは「改善のメカニズムとしてアプリのゲーム要素がポジティブに働いた可能性がある」と説明。今後についても「睡眠計測アプリの利⽤とさまざまな健康指標との関連を検討する疫学研究を進める予定だ」と力を込めている。