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クマノミ、大きなエサはイソギンチャクに提供 宿主の食料を理解

大阪公立大学の小林優也大学院生らの研究グループは26日、クマノミがイソギンチャクに大きな動物性のエサを提供して高い成長率に貢献していることが分かった。英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に同日付で掲載されている。

クマノミはイソギンチャクを住処として触手を食べる魚を追い払い、捕食者から守られる。人間がクマノミにエサを与えた際にイソギンチャクの触手に付けることは知られていたが、グループは人のいない自然界でも起きているのかを調べた。2020~21年の8カ月間、エサ追跡実験や大きさ実験など5つの実験を行ったという。

まず、クマノミが宿主に与えたものがエサになっているかを分析。確認した3分の2程度でイソギンチャクが捕食していた。また、クマノミは自身の口に入る大きさのエサは自分で消費し、そうでないものは提供していると判明している。大きな植物性食料や毒のあるものは捨てていた。満腹になるにつれ、渡す確率が増えていた。

さらに、実験者がクマノミへ大きなエサを与える「クマノミエサやり群」と宿主に提供する「イソギンチャクエサやり群」、何も与えない「コントロール群」を作った。3カ月後のイソギンチャクの成長率を調べたところ、エサやり群は有為に体が大きくなっていた。

グループはクマノミがイソギンチャクの食べられるものを認識したうえで、エサをどうするか決めていると考察。体の状態に応じて行動するか、利己的か協力的行動をするのかを判断するとしている。

小林大学院生は「野外で繰り返し同じ個体に餌を提示したり、数カ月かけてイソギンチャクの成長を調べたりするのは大変であった」と紹介。「この研究により、他の共生関係においても見直しを行う価値があることを提案できた」と語っている。