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黒潮蛇行、千葉県の豪雨に影響 降水量増大 立正大・九州大・JAMSTEC

九州大学

立正大学の平田英隆准教授と九州大学の河村隆一教授、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の野中正見博士らのチームは、千葉県東部で発生した記録的な豪雨の発生に大きく寄与したことやそれに関わるメカニズムを明らかにしている。

人工衛星による海面温度の観測が始まってから初めて、水温が温かい黒潮が日本列島を離れる「黒潮続流」の大蛇行が2022年の秋から確認された。例年では黒潮は房総半島付近で太平洋に向けて離れていくが、東北地方に曲流していた。23年に千葉県で発生した豪雨への関連が示唆されたが、その研究はされてこなかった。

チームはスーパーコンピューター「地球シミュレーター」を使って、海水温が高いときの豪雨を再現することに成功。海面水温が高まる海洋熱波が雨に与える影響を検討するため、対照実験として海水温が通常時の効果を確認した。

調査によると、熱波の影響を除いた実験では県東部の降水量が300ミリ減少した。さらに、大雨の前半では県東海岸に発生した前線に温暖な空気が流入して、降水量の増加をもたらしていた。後半では熱波は前線が陸上で発達するように作用し、雨量の増大をもたらしている。

立正大学の平田英隆准教授は「日本周辺では海面水温が高い状態になっており、豪雨などの気象現象の発生リスクが高まっている可能性がある」と評価した。「防災に対する準備やいざというときの適切な防災行動につなげてほしい」とコメントしている。

13日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されている。