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種の保存法 対象外生物の取り引き増大 国立環境研究所など3機関

国立環境研究所(茨城県)と徳島大学、大阪公立大学などの研究チームは、国内希少生物を守るための「種の保存法」が規則対象外の生物の売買を助長していると明らかにした。規制の対象外にも目を向ける必要性を表明している。

生物取り引きの規制がどのような影響を与えているかはこれまで検証されてこなかった。そのため、チームは2020年に販売などが禁止された「タガメ」「トウキョウサンショウウオ」「カワバタモロコ」を対象に、商売などにどのような影響がでているかをオンライン販売データ11年分を使って調べている。

その結果、規制対象となった3種は、規制対象となった後はオークションサイト上での取り引きがほとんど確認できなかった。一方で、制限されていない生物について、禁止1年後に売買量が増加していると認められている。特に水生昆虫への影響は2年が経過しても存在していた。

チームは「野生生物取引に対する規制が、他の生物の過剰採取等を促進することになっては意味がない」と評価。「政策を導入する際には規制対象種のみならず対象外の種についても市場動向を考慮し、需要管理やモニタリング体制を強化する必要がある」と訴えている。