千葉大学
千葉大学の山本緑講師と櫻井健一教授らのチームは、付属小学校の生徒と卒業生の血液を使って新型コロナウイルスの感染状況を調べた。感染に気付かないケースが多くあり、子どもたちが遊ぶことで感染者が増える傾向が明らかになっている。
チームは付属小の生徒ら計355人に2020~22年度の間で血液検査を実施した。
その結果、陽性の子どもの割合は1年目0.6%、2年目、2.2%。オミクロン株が主流となった3年目は60.9%に大きく上昇していた。保護者に子どもがコロナに感染したかを22年度に尋ねると、「かかったことがある」は約10割、「調べていないが、かかったかもしれないと思う症状があった」は約8割、「かかっていないと思う」は約4割だった。
2年目に陰性だった人が3年目に陽性となった要因を調査した。すると、「一人でいるよりも他の子どもと遊ぶことを好む」「学年が低い」の2つの特徴が見られた。グループは感染力が高いオミクロン株の流行とマスク着用の緩和、軽症で気付かない生徒たちという条件が重なり、急速に拡大したと分析している。
「子どもたちとの遊びを通して感染が広がっている可能性があると分かった。これらは、子どもたちの中での感染の実態を示す重要な成果だ」と紹介。「ワクチン接種および子どもの生活習慣を含めた感染症対策について、さらなる研究が求められる」としている。