筑波大学
クッキーを食べればお茶が欲しくなり、数の子を食べても塩分でのどが渇く。筑波大学の山田洋准教授らのグループは31日、クッキーなど乾き物を食べた際にのどの渇きを感じている時、生体内で何が起きているのかを調査した。
研究では、飲食が可能で人に近い「マカクザル」を用いた。エサであるクラッカーを食べさせる前後で、のどの渇きと相関するホルモン「グレリン」を調べた。クラッカーを腹いっぱいに食べさせて水分を与えて、その前後で採血をしている。
その結果、血液の浸透圧とグレリンの血中濃度の変化が、のどの渇きと空腹の度合いの変化と一致すると明らかになった。これは、浸透圧やグレリンの測定から数値化できることを示しているという。
グループは「のどの渇きや空腹などの欲求の異常に関わるうつ病や過食症などの評価に用いられることが期待される」と評価。「体の状態の異常を数値として客観化し、診断に用いることも可能となるかもしれない」とコメントしている。