京都大学
他の人と共にトイレへ行く「連れション」。人間以外でその行動をする生物は確認されていなかった。京都大学の大西絵奈大学院生らのグループは20日、チンパンジーの排尿が伝染することを明らかにした。距離が近かったりすると起き、社会的立場が低かったりする個体ほどトイレをする順番は遅くなっていたという。
研究グループは、チンパンジー20体を対象に約600時間にわたって全ての尿の放出を確認している。
分析によると、排尿が起こった時の距離関係を調べたところ、個体間距離が近いほど続けて尿を出す傾向があった。これはチンパンジーの排尿が伝染していることを示しているという。
さらに、地位の低いチンパンジーほど高い者に続けて排尿していた。一方で、地位が高い個体ほど追従していなかったという。チンパンジー同士の友好性による結果への関連性は、見られていない。
大西大学院生は「排尿を観察する研究が、今後より多くの種や集団に広がり、排尿の伝染減少について詳しく分かることを楽しみにしている」とコメントしている。