広島大学の石原萌香大学院生らの研究グループは、バレエのテクニック「ターンアウト」が足の親指がくの字型に曲がる「外反母趾」(がいはんぼし)を引き起こす可能性を高めると発表した。
外反母趾は足の親指が人差し指に向かう状態となり炎症や痛みを起こす。バレエダンサーに多く見られる。だがこれまで、両足のかかとを付けて、外側にむけるターンアウトが外反母趾の発生リスクを高めるエビデンスはなかった。
研究では健常な女性バレエダンサー16人が、両足を外側に向けて屈伸する「プリエ」を実施。その結果、足が外側に向いた状態での屈伸運動が指の関節に負担を与え、外反母趾につながる可能性が示唆されたという。
グループは「アスリートやダンサーの足部障害発生メカニズムの解明を目指した研究に発展していくことが期待される」とし「障害予防のための重要な研究成果を発信するために研究を続けていく」としている。