実験イメージ
麻布大学の中村月香学生と水健史教授、国立遺伝学研究所(静岡県)の小出剛准教授らは11日、日本の野生マウスを使って感情を検知する「情動伝染」には視覚情報が不可欠であると突き止めている。同日付の英学術誌に掲載されている。
情動伝染は個体の思いが他者に伝染する現象だ。人だけでなく、マウスや犬などの動物で確認されている。マウスは嗅覚で情報のやり取りをしていると考えられているが、情動伝染では何を手がかりとしているか分かっていなかった。
研究グループはタブレッドを使ってマウスに、別のマウスが電気ショックで痛がっている映像を見せた。その後、電気で苦痛を感じたマウスがその際に排泄した尿を見せると、恐怖反応の一種であるすくみ行動を発現させたという。
その映像にモザイクをつけると、すくみ行動が弱まったことから、視覚情報が重要であると認められている。