ミナミクエ=水産研究・教育機構のフェイスブックより
水産研究・教育機構と神奈川県立生命の星・地球博物館、ベトナム科学技術アカデミーのグループは、クエとよく似た魚「ミナミクエ」をエピネフェルス・ランドールアイという学名で新種登録したと発表した。
クエは西日本を中心に鍋料理などに用いられる高級魚。水深50メートルまでの岩礁などに生息しており、1メートルを超える個体も存在する。見た目が近いミナミクエは中国に分布しており、異なる種類であるものの同じ学名「エピネフェルス・ブルネウス」で呼ばれていた。
グループはブルネウスがもともとクエかミナミクエのどちらを指していたのかを調査。1793年にドイツの研究者が命名した際の標本をベルリン自然史博物館で調べたところ、クエの特徴と一致した。そのためミナミクエに新たな学名であるランドールアイを付けている。
3機関は「2種の学名が確定したことは、科学の知見に基づく資源管理・養殖技術の開発などに貢献する」としている。