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ヤツメウナギの新種「ウチワスナヤツメ」と「ミナミスナヤツメ」を発見 「保全対策の必要性を検討すべき」 水産大など

新種のミナミスナヤツメ

水産大学校(山口県)と京都大学、北海道大学の研究チームは6日、新種のヤツメウナギ「ウチワスナヤツメ」と「ミナミスナヤツメ」を発見したと報告している。謎の多いヤツメウナギの生態解明や保全対策につながると期待されると説いた。

ヤツメウナギは大きさ13~100センチ程度で、円形の口を持つ。エラの穴が8つあり、それらが目に見えることからヤツメウナギと名付けられたとされている。日本には3種のヤツメウナギが生息するとされてきたが、スナヤツメという種類の中に形態では区別しづらい別種が存在する可能性が指摘されていた。

分析を開始すると、チームはスナヤツメの新たな種ミナミスナヤツメに加えて、予想外にウチワスナヤツメを発見した。ミナミはエラの周りに感丘群と呼ばれる部位があり、ウチワは口の上下に歯が丸い特徴があるという。ウチワは北海道の一部のみから採集されており、生息基盤は脆弱だと推測されている。

グループは「河川環境変化の影響により、河川性スナヤツメ類の絶滅も危惧されている」とし「ウチワスナヤツメの生息状況や保全対策の必要性を早急に調査すべき」と訴えている。