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害虫のオウトウショウジョウバエ、夜の光で産卵数2倍 都市部定着の一因

研究イメージ図

千葉大学の高橋佑磨准教授らのチームは10日、さくらんぼやブルーベリーなどに寄生する害虫「オウトウショウジョウバエ」の繁殖に人工光が与える影響を評価した。オスの求愛行動を減衰させる一方で、メスの産卵数を増やすことが明らかになっている。同日付の国際学術誌に掲載された。

グループは関東の都市と郊外に生息するオウトウショウジョウバエを卵から成虫まで人工光にあてて飼育。サイズや繁殖行動を調べた。

その結果、どちらの個体も体の大きさが通常よりも小さくなった。また、オスは求愛行動が弱くなったが、メスの産卵数が増えていたという。夜間照明へあたることで、卵を産む数は2倍に増えると明らかになっている。

高橋准教授らは「メスの産卵数の増加は、オウトウショウジョウバエが都市部に定着を成功させた一因だ」と分析。都市型は郊外型のハエに比べて、照明の影響を受けにくいことから都市からのストレス耐性が高まる進化をしていると推測している。